大建中湯(だいけんちゅうとう)はイレウスや高齢者の便秘に対して使われることが多い漢方薬です。
大建中湯は体を温める作用がある漢方薬です。そのため、便秘だけでなく冷えによる下痢にも使われることがあります。
大建中湯の構成生薬
大建中湯は山椒(さんしょう)、乾姜(かんきょう)、人参(にんじん)、膠飴(こうい)からなる漢方薬です。
山椒と乾姜には、お腹を温めて動かす作用があります。
膠飴は麦芽糖の飴のことで、腸管を潤す作用があります。
これらの生薬が腸を温めて腸管の動きを調節することでイレウスや便秘を解消します。
大建中湯で効果がない腹痛
大建中湯は腸管を温めて動かす漢方薬なので、筋肉の緊張で起こるような腹痛には効果がありません。
このようなときには、筋肉の痙攣を抑える作用を持つ生薬である芍薬を含む小建中湯(しょうけんちゅうとう)を併用すると有効なことがあります。
腸管の働きと大建中湯、小建中湯の作用
腸の働きには、蠕動運動と免疫があるとされています。大建中湯は蠕動運動の方に作用して、小建中湯は免疫の方に作用すると考えられています。