『生薬、漢方薬の副作用①』、『生薬、漢方薬の副作用②』では、生薬を基にその生薬がどのような副作用の症状を引き起こすのかをみてきました。
今回は副作用やアレルギーを症状別にみて、どの生薬が引き起こしやすいのかをみていきます。
消化器障害
悪心、胃部不快感などの消化器症状を引き起こしやすい生薬として、麻黄、地黄、石膏、当帰、川芎(せんきゅう)などがあります。
副作用として消化器症状が現れるのは服用後1~2週間が多いので、その間に消化器症状が現れたら副作用の可能性を考えます。
副作用として消化器症状が現れた場合は、一般的にはその原因生薬の使用を控えたり、食後に服用するようにしたり、使用量を減らすなどの対応を行います。
肝機能障害
だるさや黄疸がみられた場合は、肝機能障害を疑います。肝機能障害を引き起こす生薬には桂枝、柴胡(さいこ)、茯苓(ぶくりょう)、猪苓(ちょれい)、白朮(びゃくじゅつ)、沢瀉(たくしゃ)などがあります。
肝機能障害が疑われた場合は、病院を受診するようにします。
膀胱炎様症状
頻尿、残尿感、排尿時痛、血尿などがみられた場合には、膀胱炎様症状を疑います。主に柴胡を含む漢方薬でみられ、尿の中に細菌は存在せず、アレルギーにより発症すると考えられています。
アレルギー
発疹、痒み、蕁麻疹などのアレルギーは、ほとんどの生薬で引き起こされる可能性があります。中でも人参、黄耆、桂皮、地黄、大黄、当帰などがアレルギーを引き起こす可能性が高いです。
アレルギーの場合は、服用する量を減らしても症状が出る場合が大半なので、可能性がある生薬を中止するようにします。