生薬には相性がいい組み合わせがあります。今回は、生薬の代表的な組み合わせについて書いていきます。
人参と黄耆
人参(にんじん)と黄耆(おうぎ)は、両方とも気を補う作用があります。この組み合わせは、気の不足による食欲不振や全身倦怠感に対して使われます。
この組み合わせを含む漢方薬は参耆剤(じんぎざい)といわれ、人参養栄湯(にんじんようえいとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)などがあります。
柴胡と黄芩
柴胡(さいこ)と黄芩(おうごん)は、両方とも体内の熱を冷ます作用があり、これらを組み合わせて、解熱、消炎を目的に使われます。また、胸から脇にかけて重苦しく張った状態(胸脇苦満といいます)に対しても使われます。
この組み合わせを含む漢方薬は柴胡剤といわれ、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)、小柴胡湯(しょうさいことう)などがあります。
黄芩と黄連
黄芩と黄連(おうれん)は、両方とも体内の熱を冷まし、みぞおちのつかえを取り除く作用があります。
この組み合わせを含む漢方薬には、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、黄連解毒湯
(おうれんげどくとう)などがあります。
甘草と生姜と大棗
甘草(かんぞう)と生姜(しょうきょう)と大棗(たいそう)は、消化機能を高める作用があります。胃腸を刺激する生薬が含まれている場合は、その作用を緩和するように働きます。
この組み合わせを含む漢方薬としては、四君子湯(しくんしとう)、六君子湯(りっくんしとう)、桂枝湯(けいしとう)などがあります。
麻黄と桂皮
麻黄(まおう)と桂皮(けいひ)は、両方とも発汗作用があり、悪寒や関節痛があるときや汗が出ないときに使います。
この組み合わせを含む漢方薬には、葛根湯(かっこんとう)、麻黄湯(まおうとう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)などがあります。
麻黄と杏仁
麻黄と杏仁(きょうにん)は、両方とも強い鎮咳作用があります。
この組み合わせを含む漢方薬には、五虎湯(ごことう)、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)などがあります。
大黄と芒硝
大黄(だいおう)と芒硝(ぼうしょう)は、両方とも瀉下薬であり、排便を促すことで体内にたまった邪気を取り除く作用があります。
この組み合わせを含む漢方薬には、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、調胃承気湯(ちょういじょうきとう)などがあります。
茯苓と沢瀉
茯苓(ぶくりょう)と沢瀉(たくしゃ)は、両方とも利水薬であり、体内の余分な水分を排出してむくみなどに使われます。
この組み合わせを含む漢方薬には、猪苓湯(ちょれいとう)、柴苓湯(さいれいとう)、五苓散(ごれいさん)などがあります。
半夏と陳皮
半夏(はんげ)と陳皮(ちんぴ)は、両方とも気をめぐらせて、体内の余分な水分を取り除く作用があり、胃腸の機能低下に対して使われます。
この組み合わせを含む漢方薬には、六君子湯(りっくんしとう)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)、釣藤散(ちょうとうさん)などがあります。
当帰と川芎
当帰(とうき)が血を補う補血薬(ほけつやく)、川芎(せんきゅう)が血を巡らせる活血薬(かっけつやく)として作用します。
この組み合わせを含む漢方薬には、温清飲(うんせいいん)、四物湯(しもつとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などがあり、月経不順やめまいといった、血の不足による症状に使われます。
これらのような相性がいい生薬の組み合わせを覚えておくと、漢方を学ぶのに役立ちそうです。