生薬とは?生薬の原料と三品分類

漢方薬を知る上で、生薬について知ることはとても大切です。というのも、漢方薬は様々な生薬を混ぜ合わせて作られているためです。そこで、今回は生薬とはどのようなものなのか、生薬についてまとめていきます。

生薬とは?

生薬とは、そのまま、または簡単な加工をして薬として用いられる天然物のことをいいます。生薬の多くは、植物の根や葉や果実などですが、動物鉱物に由来するものもあります。

動物由来のものとしては、セミの幼虫のぬけがらである蝉退(せんたい)、牡蠣の殻である牡蛎(ぼれい)、の胆汁を乾燥させた熊胆(ゆうたん)などがあります。

鉱物由来のものとしては、石膏(せっこう)、大型哺乳類の化石である竜骨(りゅうこつ)などがあります。

生薬の長所と短所

生薬には様々な成分が含まれていて、このことで長所と短所がそれぞれあります。

長所としては、様々な成分の働きで薬効が多岐にわたること、一般的に副作用が少ないことなどが挙げられます。

短所としては、生薬の採集場所や時期によって成分の含量が変動すること、偽物が出回ることがあること、有効成分が明らかになっていない生薬があることなどが挙げられます。

三品分類とは?

生薬は中国の「神農本草経」という書物の中で365種存在していて、人に対する作用の強さや安全性の観点から上薬、中薬、下薬に分類されています。この分類方法は三品分類とよばれています。

上薬

上薬は120種類あり、最も重要な薬に位置付けられています。命を養う目的の薬で、長期間服用しても問題なく、身体を軽くし、不老長寿の作用があるとされています。上薬に該当する生薬には、人参、甘草、黄耆などがあります。

中薬

中薬は上薬と同じように120種類あり、上薬の次に重要な薬に位置付けられています。体力を養う目的の薬で、病気を予防し、虚弱な身体を強くし、上薬を助ける働きを持っているとされています。毒にもなるので、加減して使う必要があります。中薬に該当する生薬には麻黄、葛根、芍薬、当帰などがあります。

下薬

下薬は125種類あります。病気を治す目的の薬で、上薬や中薬の作用を助ける働きを持っているとされています。有毒なため、長期間服用してはいけないもので、下薬に該当する生薬には附子、半夏、杏仁、桃仁などがあります。

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