漢方を学ぶ

通導散の処方解説

通導散(つうどうさん)は、比較的体力がある人の、腹部膨満感や圧痛があって硬い便の便秘に用いられる漢方薬です。
また、腹部膨満感や圧痛がある便秘の人の、頭痛や肩こりなど高血圧の随伴症状、月経不順、更年期障害、月経痛、腰痛、打ち身などにも用いられます。

構成生薬の働き

通導散は、枳実(きじつ)、大黄(だいおう)、当帰(とうき)、甘草(かんぞう)、紅花(こうか)、芒硝(ぼうしょう)、木通(もくつう)、陳皮(ちんぴ)、厚朴(こうぼく)、蘇木(そぼく)から構成されています。
枳実は、便通を良くしたり、膨満感を改善するように働きます。
大黄は、緩下作用があり排便を促します。
当帰は、瘀血をとり去る作用があります。
甘草は、痛みを抑える作用があります。
紅花は、瘀血をとり去り、痛みを抑える作用があります。
芒硝は、余分な熱を取る作用があります。また、溜まったものを排出させる作用があり、排便を促します。
木通は、月経不順を改善するように働きます。
陳皮は、健胃作用があります。
厚朴は、痛みを抑えたり、胃腸の動きを整える作用があります。
蘇木は、瘀血をとり去り、痛みを抑える作用があります。