漢方を学ぶ

便秘に対して用いられる漢方薬

漢方における便秘の原因としては、腸にこもった熱や乾燥、冷えや気滞や気虚による排便力の低下、腸の滋養不足などがあります。

便秘を改善するためには、これらの原因を解消していきます。

腸に熱がこもっている便秘では、腹痛や腹部膨満感があり、舌苔が黄色いことがあります。腸にこもった熱や乾燥を改善する漢方薬としては、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)、大承気湯(だいじょうきとう)、大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、調胃承気湯(ちょういじょうきとう)、通導散(つうどうさん)などがあります。

冷えによる便秘では、西洋薬の下剤では効きすぎて下痢になってしまったり、舌苔が白いことがあります。冷えに対して温めて気を巡らせる漢方薬としては、大建中湯(だいけんちゅうとう)などがあります。

排便力を高める漢方薬としては、桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)などがあります。

腸が乾燥していると、皮膚や舌も乾燥していることがあります。乾燥した腸を滋養する漢方薬としては、潤腸湯(じゅんちょうとう)などがあります。

その他に、麻子仁丸(ましにんがん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)などが便秘に用いられます。

これらの中で、大黄甘草湯、大黄牡丹皮湯、大承気湯、桃核承気湯、調胃承気湯、通導散のあたりが便秘に対する効果としては強めの漢方薬になります。