抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)は、精神疾患で使われる漢方薬の1つです。
抑肝散加陳皮半夏は、ストレスにより気の巡りが低下した状態(気滞)で、その中で特にひきつけや筋肉の痙攣、不安感、めまいがあるときに用いることが多い漢方薬です。
抑肝散と抑肝散加陳皮半夏の違い
抑肝散加陳皮半夏は、抑肝散の構成生薬に半夏(はんげ)と陳皮(ちんぴ)を加えた漢方薬です。半夏と陳皮には、吐き気を抑える作用があるため、抑肝散の服用で吐き気などの消化器症状が出てしまう場合には抑肝散加陳皮半夏が用いられます。
しかし、抑肝散加陳皮半夏の方が抑肝散よりも構成生薬の種類が多いため、効果に関しては抑肝散よりも抑肝散加陳皮半夏の方がややマイルドになります。
構成生薬の働き
抑肝散加陳皮半夏は、半夏(はんげ)、蒼朮(そうじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、川芎(せんきゅう)、釣藤鈎(ちょうとうこう)、甘草(かんぞう)、柴胡(さいこ)、当帰(とうき)、陳皮(ちんぴ)から構成されています。
半夏は、体を温めたり、吐き気を抑えたりする作用があります。また、鎮静作用もあります。
蒼朮は、体を温めたり、水分の調節をする作用があります。
茯苓は、体の水分の調節をする作用があります。また、鎮静作用もあります。
川芎は、瘀血を取り去る作用があります。
釣藤鈎は、興奮を抑えて落ち着かせる作用があります。
甘草は、ストレスを緩和する作用があります。
柴胡は、鎮静作用があります。
当帰は、精神を落ち着かせる作用があります。
陳皮は、精神を落ち着かせたり、消化器の機能を高めて吐き気を抑える作用があります。