十全大補湯の処方解説 kanp_ou 7年前 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)は、補中益気湯と並ぶ代表的な補剤です。補中益気湯は脾虚を伴う気虚に対して使われます。これに対して、十全大補湯は補気薬である四君子湯(しくんしとう)と補血薬である四物湯(しもつとう)が合わさったものなので、貧血があったり、脱毛が多い、皮膚の乾燥といった血虚が強い場合に使われます。 十全大補湯の適応 十全大補湯は、様々な病気になった後に使います。また、出血を伴う手術などの大きな侵襲をして体力が低下している時など、血虚の状態であるときに多く用いられます。 また、十全大補湯などの血虚に使われる薬には、血をうまく作れるようにする働きがあります。特に、鉄欠乏性貧血で鉄剤を飲んでも貧血が治らない場合などに十全大補湯を使うと有効なことがあります。 がんの治療に対する応用 補中益気湯や十全大補湯は、がんに有効な免疫力を高める作用や、抗がん剤や放射線療法の副作用を軽減する作用があるので、がんの治療をする際に用いられることがあります。