漢方を学ぶ

芍薬甘草湯の処方解説

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は下肢の痙攣(こむら返り)に対して使う漢方薬です。

芍薬甘草湯の特徴

漢方薬は効果が現れるまで時間がかかるというイメージがありますが、この芍薬甘草湯は服用すると5~30分で効果が現れます。芍薬甘草湯の構成生薬は芍薬甘草の2種類のみのため、とても切れ味がいい漢方薬といえます。

芍薬は筋肉の緊張を取るように、甘草が急激に引き起こされる症状を緩和するように働きます。これより、芍薬甘草湯はこむら返り以外に、横隔膜の緊張であるしゃっくり、尿管結石や胆石の痛み、筋肉の痙攣が伴うと思われる場合の頭痛、腰痛、坐骨神経痛、月経痛などにも使われます。

尚、冷えがあるときに痛んだり、胃痛や頭痛を伴ったり、胃腸虚弱がある場合の月経痛には冷えの痛みの処方である呉茱萸湯(ごしゅゆとう)を使用します。

芍薬甘草湯の注意点

芍薬甘草湯には甘草が含まれているので、副作用である偽アルドステロン症に注意する必要があります。

偽アルドステロン症になると、自覚症状としては全身倦怠感がみられますので、服用中はこのような症状がないか注意しながら使用します。