漢方を学ぶ

生薬、漢方薬の副作用②

漢方薬を構成する生薬には、重大な副作用があるものがあります。『生薬の副作用①』で書いた生薬以外の麻黄附子芒硝の副作用や中毒について書いていきます。

麻黄

麻黄は主成分はエフェドリンです。エフェドリンはアドレナリン類似の交感神経興奮作用を持っていて不眠動悸頻脈血圧上昇排尿障害興奮胃腸障害などの副作用が起こる可能性があります。

これらの副作用は用量依存的に発現しやすくなるので、麻黄を含む漢方薬、エフェドリンと同じような作用を持つキサンチン製剤カテコラミン製剤甲状腺製剤との併用には注意します。

また、甲状腺機能亢進症、狭心症、心筋梗塞、不整脈、重度の高血圧、重度の腎障害を持つ人は、症状を悪化させる可能性がありす。その中でも、不安定狭心症心筋梗塞などの重篤な虚血性心疾患を持つ人は、短期間の使用であっても注意が必要です。

附子

附子はトリカブトの根のことで、猛毒成分のアコニチン類を含んでいます。附子を医薬品として使う場合、アコニチン類は加水分解処理されるので、常用量であれば附子中毒になることはほとんどありません。

附子を常用量より多く服用する場合や、新陳代謝が亢進している陽証の人に使用する場合は、附子中毒の危険性が増加します。

附子中毒の初期症状として、動悸悪心舌のしびれ動悸などがあります。しかし、悪心などの消化器症状は、附子中毒ではなく副作用の胃腸障害であることが多いです。

芒硝

芒硝は塩類下剤で、過剰に服用すると下痢浮腫を引き起こすことがあります。芒硝は桃核承気湯(とうかくじょうきとう)や大承気湯(だいじょうきとう)に含まれています。